地域包括支援センターは、地域住民の介護予防や虐待防止を目的として介護保険法により設置された介護機関です。センターには、保健師の配置が義務付けられています。保健師は看護師の資格を有する医療の専門家です。保健師以外でも、地域包括支援センターで看護師が活躍しているケースは珍しくありません。
地域包括支援センターにおける看護師としての主な役割は、地域住民の健康を維持し介護予防を図ることだと言えるでしょう。高齢化社会において、介護サービスを充実させることも重要ですが、介護サービスを受けなくても自立した生活ができる高齢者を増やすことが大切なのです。
介護予防においては、地域住民への情報提供が不可欠です。地域包括支援センターの看護師は、介護予防教室を開催して介護予防体操を実施したり、熱中症や感染症の対策を伝授したりするなど有益な情報提供に努めなければなりません。また、健康チェック講座を開いて血圧や骨密度を測定し、高血圧や骨粗鬆症のリスクについて解説することも重要です。
こうした一般向けの教室や講座の他に、看護師は特定の高齢者を対象とした介護予防も行います。独居老人などを訪問して健康管理や認知症予防をすることにより、一定の介護予防効果があると言われています。地域包括支援センターの看護師の仕事として、介護予防ケアマネジメントも欠かせません。介護予防ケアマネジメントでは、看護師が個別の高齢者について介護予防ケアプランを作成し、できるだけ介護サービスを受けずに済むよう対策を講じています。