地域包括支援センターは、介護や医療などで高齢者を支える相談窓口で、市町村に必ず置かれています。センターの利用対象者は、対象地域に暮らす65歳以上の高齢者です。介護の支援が必要な人や必要になる可能性が高い人に向けて、自立した生活ができるように支援しています。他にも様々な相談にのってくれる場所でもあります。
地域包括支援センターは、保健師やケアマネージャー、社会福祉士が各施設に在籍しており、相談に応じて必要な窓口や制度を紹介するなど、専門的な対応を行っている機関です。具体的には、高齢者やその家族の心配事、悩みについて解決方法を提示したり、市区町村が開催する介護予防のための催しを紹介することもあります。
地域包括支援センターは、「要介護にならないように支援する」ところなので、高齢者が元気なうちから利用することも可能です。例えば、高齢だが不自由なく2人だけで暮らしている親夫婦を心配した子どもがセンターに相談するケースもあります。相談者は、両親がこの先「突然何かあるかもしれない」、しかし「すぐに駆けつけることができない」という不安があったようです。このような不安に対してセンター側は、担当のケアマネージャーが面談したのち、夫婦の住まいを時々訪ねるといった支援を行いました。さらに、これから先も老夫婦が元気で暮らせるように、地域で受けられるサービスなどを紹介したのです。
高齢者の場合、家族以外のよく知らない人が関わることに抵抗を持たれることも多いですが、時間をかけて関わり合っていく中で信頼関係を築くことができます。このように、地域包括センターでは介護の必要度に応じて多くの高齢者とその家族を支援しています。